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日本におけるキャリア研究第一人者の神戸大学金井壽宏教授による
キャリアデザインの入門書。
本書の主張は、
「人生における節目(トランジッション)においては、キャリアの問題を真剣に考え、
自らの意思で意思決定し、行動すべきである。」
というものです。
そのために、自分が節目にさしかかっていることをどのように自覚するか、
節目に直面し、迷ったときにどうやって意思決定したらいいかという、
よく考えると大変難しいテーマが扱われています。
対象読者は、
①ミドル・マネージャー
②学生
③キャリアデザインを模索する人々
④人事スタッフ
⑤キャリア研究者
とされていますが、
私自身は中小企業経営者という立場と、40台も半ばを過ぎた自分自身のこれまでの
経験を振り返り、今後の職業人生をどのように設計していくかという視点でこの本を読みました。
ユングは40代を「人生の正午」と表現したそうですが、ピークを過ぎ下り坂が始まった
ととらえるのでなく、これまで成功や失敗を「統合」し、より意味深い仕事を通じて真の
個性化をできるのが40代以降であるという主張に少し勇気づけられました。
「死から逆算して残りの人生を実感を伴って考えることができるのは45歳以上だ。」
という指摘もその通りだと思います。
また、就職時における期待と現実のギャップ(リアリティ・ショック)にどう向き合うかという
問題を扱った章は、企業の人事担当者や人材ビジネス関係者にも参考になると思います。
おそらく多くの人にとって自身のキャリアを自覚的に考える機会はそれほど多くなく、
本書にも引用されている不思議の国のアリスの一節のような状況が一般的ではないでしょうか。
(アリスはネコに次のように尋ねた)
「あのう、わたくし、ここからどの道を行けばいいか教えていただきたいんですけど」
「そりゃ、あんたがどこへ行きたいかによるわな」 とネコは答えた。
「どこだっていいんですけど」
「そんなら、どの道だってかまわんだろ」
「---どっかへ行き着きさえすりゃね」 アリスが言い添えるとネコはネコで、
「あっ、そりゃ行き着けら。ちゃんと歩き続けてさえすりゃね」
百瀬


